大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(オ)47 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人代理人菅野虎雄の上告理由は、末尾に添えた書面記載のとおりであつて、

当裁判所はこれに対し次のように判断する。

上告理由第一点について。

原審は、被上告人が本件ミシンをDから買受けた際右ミシンがDの所有であると

信じたことにつき過失のなかつたことを、所論のように、Dの云うがままその言を

信じたことによつて判断したものではなく、論旨に摘録する原審の認定した事実、

殊に「当時被控訴人(上告人)は離郷して遠く京都市に在り、且つ家には被控訴人

(上告人)の妹がいてかねてミシンを使用しており、右ミシンが被控訴人(上告人)

の所有であるなどとは知る由もなく、D家の戸主であるDの買取り申出のことであ

るから戸主たる同人の所有と信じて買受け」た事実から被上告人の善意無過失を推

断したものてあつて、その判断には違法と認むべきものはない。所論のように、被

上告人の善意無過失を肯定するには必ずミシンの由来を探知したことを証拠によつ

て認定しなければならぬものではない。それ故、原判決には所論のような違法はな

く論旨は理由がない。

同第二点について。

上告人は、原審において、本件ミシンが盗品であること並びに上告人が盗難の時

より二年内に占有者に対してその物の回復を請求したことを主張していない。従つ

て、原審がかかる事実の有無を判断しなかつたのは当然であつて、原判決には所論

のような違法はない。

よつて本件上告を理由ないものと認め、民訴四〇一条九五条八九条に従い主文の

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とおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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